道路に沿った町家などで建物と
道路際の軒下部分に人が建物に
近寄らないように、柵が設置して
あることがあります。
これを『駒寄せ』と呼んでいます。
『駒寄せ』は、近畿を主とする西日本に多いそうです。
この『駒寄せ』を設置する目的は、
棒切れの先で格子をカタカタ鳴らしたり、
壁などに悪戯するのを防ぐためのもの。
『駒寄せ』は高さ1メートル内外の低目の柵です。
写真は駒寄せを横から見たところ。
また脚元の腐朽しないように対策の仕方もいろいろです。
柱に沓石をはかせておき、
三本の貫で組んで、中四本を浮かせている駒寄せや、
土台を回してその上で組んでいる駒寄せなどがあります。
その他にも人の背丈ほどあるものもありますが、
それは『大阪出格子』と呼ばれています。
写真の様に出入口の前も柵を作って、
出入口部分を上吊りレールで、
引き戸としているものもある。
こうして見ていると、日本建築を彩るいろいろな工作があるけれど、
どれもちゃんと意味を持っているのですね。
(参考文献:滅びゆく民家 屋根・外観)