『無双窓』って何?という方が多いのではないでしょうか?
無双窓とは、パッと見た感じは板張りの壁(写真下)……。
実はその板の片方を横にスライドさせると……、
開閉できる(写真下)のです。つまり、窓なんです。
スライドを加減することで、採光を調整したり、風通しの調整をしたりします。
無双窓は、江戸時代初期くらいまでの民家は
開口部が小さくかつ少なく閉鎖的な造りだったのです。
当時は寝具が十分でなかったので、できるだけ開口部を抑えることで
寒さを防いでいたのです。
この時代には当然ガラスなどはなかったので、
外との境界は壁もしくは板戸、障子だったのです。
寒さを防ぎつつ、明かりや風通しを調整できる無双窓は
とても生活するのに便利だったのです。
この窓には、『夢想窓』と書かれることもあったそうです。
真暗な部屋に、そっと明かりを入れることのできる開口部は
『夢想』な窓だったのでしょうね。
参考文献:物語|ものの建築史「窓のはなし」著:日向進