日本建築の外観は柱が見えていて、
その間に壁がある(真壁)スタイルを
思い浮かべる人がほとんどだと思います。
しかし、柱の外側に壁を塗って、
柱を壁で覆ってしまう(大壁)スタイルも
よく見てみると見掛けます(塗り家造り)。
これは民家が密集するようになり、
防火を目的として延焼しやすい軒裏の
板や垂木まで全てを塗り込んだそうです。
中二階風の部分の窓には、
土塗り格子をはめ込んであります。
この窓を『むしこ窓』といいます。
その中二階風の建て方でその屋根裏を
『厨子二階』とか『小二階』などと呼んでいますが、
この屋根裏二階の通気孔として開けられたのが
むしこ窓の発生だろうと言われています
むしこ窓も写真の様に丸窓に横貫にした意匠匠のものや
玉をかたどった意のものもあります。
関西の方では、下の写真の様な
火灯窓風の輪郭の意匠も多くみられるようです。
その他にもいろいろな意匠のものが見られます。
何気なく通り過ぎてしまう街並みも
よく見るといろいろと個性があって
おもしろいですよね。
(参考文献:滅びゆく民家 屋根・外観)