先日豊田市足助地区を車で走っていたら、
何と立派な茅葺き屋根の門を偶然、見つけました。
茅葺き屋根自体を見掛けることも少なく、
また最近では門も簡単なものになってきている中で、
とても貴重な存在です。
日本建築において、門の役割は幾つかあります。
ここでは、住まいの門なのでその観点で書こうと思います。
門の最も素朴な役割は、人を通すか否かの制御です。
住まいの門は、『通す門』の意味合いが強くなります。
この通す門は、囲むことで確保された領域に
人が出入りするために設ける開口部、
またはその位置に設けられる建築工作物が
門ということになります。
住まいの門となると、外から戻ってきた人たちは
門を入る時に我が家に帰ってきた事を実感する。
また、客人を温かく迎え入れるための門にもなります。
そこを訪れて入る客人に、門を潜るということは
その領域の慣わしに従うという暗黙の了解を暗示する
心理的な意味合いも持つそうです。
門には色々な意味合いがあるんですね。
また別の機会に他の門の事も書こうと思います。
参考文献:和風建築シリーズ2 数寄の意匠 門
発行所:建築資料研究社