前回は、土蔵がいつ頃から
建てられる様になったのか
について書きました。
今日は、土蔵によく見かける
『なまこ壁』について書きます。
まず、『なまこ壁」』とは何?
と言う方もいると思います。
上記写真の漆喰(土蔵の白い部分)下の
黒い部分が『なまこ壁』です。
この部分は、特に風雨が吹き付ける部分なので、
写真の様に瓦を壁に張り巡らして、
補強しているのです。
この様な造りは、全国的に見られるますが、
岡山県倉敷市などは
美しいなまこ壁の町としても知られています。
なぜ『なまこ壁』という名前が付いたかというと
瓦と瓦の隙間(目地)を蒲鉾型に
盛り上げた漆喰の断面が海鼠(なまこ)型に
なっているところから名付けられたそうです。
この目地部分を漆喰で盛り上げる方法に
なったのは、目地部分から水が浸透して
瓦の裏に水が回って、剥離を早めるのを
防ぐためです。
『なまこ壁』には斜めに瓦を張った意匠が
多く見られますが、上記の写真の様に
竪目地を交互にした馬乗り目地のものもあります。
しかし、斜めに張った方が目地の水はけが
良くなると考えられたので、斜めに張る
『四半貼り』が一般的な形として広まったそうです。
(参考文献:滅びゆく民家 屋根・外観)